クローズドサークルのミステリーなんて大好物なので、『方舟』も買っていたんですがずっと放置してました。
地下にある建造物に閉じ込められてしまった10人。脱出するには誰か1人が犠牲になる必要がある。そんないわゆる「トロッコ問題」的な状況の中連続殺人が起こるというあらすじのミステリー小説です。
これはやられたー!ってなりました。ただ、読後感は爽快ではないです。宗教ということでしか繋がってないけど『ファークライ5』というゲームをクリアした時の感情に近かったです。ミステリー好きかつファークライシリーズをやっている人なんて、ほぼいないと思うので全く伝わらないと思いますが。
偶然に閉じ込められてしまったので、犯人は殺人を犯す必要がないのでは?という状況下で、殺人が続きヒントが増え、探偵が論理的に犯人を見つけるというのが大部分を占めます。でも、この過程があんまりスリリングではなく、けっこう退屈でした。
主人公の一人称視点で、登場人物のキャラクターも内面もあんまりよく分からずに淡々と話が進んで行きます。食料もトイレもあるし、パニック小説としての緊迫感とかサスペンスはほとんどありませんでした。でも、ラストは全く想像していなかったので、ミステリー好きとしてはラストにたどり着けただけで収穫です。