yu's blog

日常生活で気になったことを書くブログ

異常【アノマリー】のネタバレ有りの感想

早川書房から出版されたエルヴェ ル・テリエの異常【アノマリー】という小説は、ゲームクリエイターの小島秀夫さんが「ヒデミス」で一番に薦めてたので買って読んでみました。ちょうど「デスストランディング ディレクターズカット版」をやっている途中だったので。

 

以下、ネタバレしてますので、ネタバレ嫌いな人は読まないでください。

 

 


多くのサイトにネタバレ厳禁!みたいに書いてあって、何の話かもよくわからず、あらすじみたいなものは「飛行機に乗った乗客の話」というだけ。

 

「飛行機」というと、もしかしてNetflixにある海外ドラマ「マニフェスト」みたいな話か?と思いながら読み始めました。そしたら、当たらずとも遠からずみたいな感じでした。

 

「マニフェスト」の場合には消えた飛行機が数年後に現れて...みたいな話で、「異常」の場合には3ヶ月後に全く同じ乗客と乗員の飛行機が出てきてしまい、同じ人間が二人存在するみたいな話です。

 

ネタバレも言ってしまえばただそれだけの話で、舞台設定はSFなんだけど、ミステリー要素はほとんどありませんでした。どちらかといえば、純文学っぽいです。ミステリーだと思って読むと肩透かしを食らいます。

 

 

 

ちなみに、ドラマの「マニフェスト」は超常現象寄り?というかファンタジー寄りの人間ドラマという感じです。

 

「異常 アノマリー」はスティーブンキングの小説みたいに、登場人物が多数出てきて、場面転換が多数入ります。更に3月バージョンと6月バージョンがいるため、誰が誰だかよく分からなくなりがちでした。

 

個人的に面白かったのは、殺し屋の描写と、シミュレーション仮説の宗教論争のあたりくらいでした。もっとシミュレーション仮説を掘り下げて欲しかったけど、大部分が飛行機の乗客の群像劇なんです。昔に読んだのでほとんど忘れてしまったけれど、シミュレーション仮説の小説だったら山本弘さんの「神は沈黙せず」が面白かった記憶があります。